卵売り場から動物福祉を考える

身近なことなのに、知らずに過ごしていることって結構ありますが、食べ物に関することって特にそうなのではないかと思います。今回、卵売り場での何気ない質問から、このような事実を知り、『動物福祉』についても知るきっかけを得ることが出来良かったと思います。

動物福祉とは「一般的に人間が動物に対して与える痛みやストレスといった苦痛を最小限に抑えるなどの活動により動物の心理学的幸福を実現する考えのこと」(引用元:ウィキペディア)と日本版ウィキペディアの「動物福祉」のページでは定義しています。書かれている事を読んでいると、動物福祉という考えは少し綺麗ごとかなとも感じたのですが、産卵鶏の飼育状況、特にバタリーケージ(日本語/英語)と呼ばれるケージでの飼育方法や産卵鶏の取り扱いについての記述を読んでいたら、農場での家畜動物の環境や扱いを改善させようという考えは当然だなと思いました。

バタリーケージとは、産卵鶏が入れられているワイヤーで出来た檻のことですが、漫画にも書いてあるとおり、EUでは2012年から動物福祉の観点から禁じられております。現在使われているケージは従来のものよりも少し大きめのケージだそうです。数字で見て比べた場合、確かに以前のものよりも多少大きくなって改善されたと思ってしまうのですが、実際に縦横で計算してみると、最低面積の750㎠というのはそんなに広くなく、以前の550㎠よりは少し増しという程度です。バタリーケージ内では体を動かすのに十分なスペースがない為にケージで羽が傷ついたり、骨折したりする鶏もいるそうですが、この大きめケージではどうなのでしょう。また、過密飼育での鶏のつつき合いによる傷つきを防ぐために、産卵鶏は雛のうちにくちばしを切断するのだそうですが、EU内の一部の国では禁止にはなっていますが、全域では禁止になっていません。ただ、絶食により産卵状態を改善させるという強制換羽はEUでは禁止されています。

EUの国別で見ていくと、オーストリアは2009年にバタリーケージを禁止し、2020年までに現在使われている大きめケージでの飼育も禁止の予定、ベルギーもバタリーケージを禁止し、同様に2024年までに大きめケージでの飼育を禁じる方向、ドイツでは大きめケージよりも更に大きな「ファミリーケージ」と呼ばれるものを導入しましたが、消費者はその卵の購入を避けているそうです。EU外に目を向けると、英国で販売されている卵の半数以上は放牧卵で、オーストラリアで販売されている卵の46%はケージ飼いではない卵だそうです(2015年度データ)。企業別に見ていくと、テスコ(英国)、サブウェイ(アメリカ、カナダ、メキシコ)、ダンキンドーナツ(アメリカ)、ケロッグ(アメリカ)、USネスレ、ウォルマート(アメリカ)デニーズ(アメリカ)等々多くのアメリカの世界的企業が近い将来ケージフリーにすると発表しています。まだ時間はかかるかもしれませんが、いずれEUも全域で産卵鶏のケージ飼育は禁止されるのではないでしょうか。ちなみに日本の養鶏場ではバタリーケージ使用が九割だそうです。

私の住んでいる所は人口二万人程の小さな町ですが、BIO商品の取り扱いやスロヴァキア産を強調した商品が以前よりも増えてきていて、どのような品質で、どこで作られているのかという食べ物に関する情報に対し、一般の消費者の間の関心が以前よりも高まっているように感じます。

今回紹介した産卵鶏の飼育方法の改善に対し、私のような個人が出来るのは月並みですが、ケージ飼いの鶏の卵を買わないということ位です。出来ればどんな農場でどんな餌を食べているのかまで知ることが出来ればいいのですが、そこまではなかなか出来ませんね。卵を食べないという極端なことは言いません。生きるために他の生き物の肉・卵を食すのを否定しませんが、毎日食べる必要もありません。一方的に他の生き物が人間の為だけに都合よく扱われてしまうのは、間違っているのではないかと思うだけです。



卵の紙容器を開けるとこんな図が↓

産地のSKはスロヴァキア、ČRはチェコ、HUはハンガリー、PLはポーランドですが、近所のスーパーに売っている卵はほとんどがスロヴァキア産で、あとはポーランド産卵とチェコ産卵が少し売られているという状況。ハンガリー産のものは今のところ見かけません。


実際にはこのように↓卵の表面に印字されています。


近所のテスコの卵売り場。

中央から左にかけて見える卵は全てケージ飼いの卵。オーガニックの卵はテスコが販売しているもの一種類だけ、放し飼い鶏の卵も同じく一種のみ、右側上段の半分にあるだけです。右側中段三段分にあるのは平飼い鶏の卵。

飼育方法を表す棚のラベル(Voľný výbeh, podstielkový chov等)はランダムに貼ってあるので、自分で容器の表示を見るか、容器を開けて卵に印字されている数字を見なければなりません。どうせなら各卵の前に貼ってくれれば、分かりやすいのに…。


こちら↓のサイトでは、スロヴァキアのVeľký Krtíšにあるekologický chovの養鶏場の写真と、平飼いとケージ飼いの鶏の写真を見ることが出来ます。

日本での平飼いの一例はこちらのビデオでご覧ください。


参照:European Union Council Directive 1999/74/EC(英語) 

   養鶏(ウィキペディア)

   Battery cage(英語版ウィキペディア)

   Hope for animals(日本語)

   European commission - laying hens(英語)

   バタリーケージの卵を食べたくない!(日本語)

         Poctivé potraviny.sk - chov sliepok(スロヴァキア語



私達消費者はどれを選んで買うかで意思表示することが出来ます。

🐣鶏たちに対しフェアでいる為にもケージ飼い以外の卵を買い続けます。🐣

   

青ねこ's Life in Slovakia

中欧の小国スロヴァキアについてのあれこれ。

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