Netradičné Vianoce(伝統的ではないクリスマス)

今回の漫画は、クリスマスを皮肉ったスロヴァキアの詩を元に描いてみました。これはミケさんが大学生の時に友人から送られたクリスマスのショートメッセージです。

詩の前半では、冬場の典型的なスープ「カプストゥニツァ(Kapustunica)を料理しながら「全部うまくいっている」と言いながら、後半では美しく飾り付けられたはずのツリーが燃えたり、デコレーションの一部のサローンキ(Salónky・チョコレート菓子・下の写真参照のこと)が子供に全部食べられるという予定外のことが起きるという対比ある皮肉が、この詩の面白さだと思います。(※念の為言っておきますが、鯉がこんな風に丸ごと冷凍庫に入っていることはありません。)ただ、ツリーが燃えるという事故は実際にあるそうですツリーに飾られた電飾がショートして発火原因になったりするそうですよ。


↑写真下側がサローンキ(Salónky)


鯉は現在のスロヴァキアのクリスマスにおいてシンボル的な存在でありますが、クリスマスイブに鯉を食べることはスロヴァキアにおいては「伝統」と呼べるほどの長い歴史があるわけではないそうです。


中世の時代、キリスト教徒は、アドヴェントの時期に肉を食べることを禁じられていたので、代わりに魚や乾燥茸を食べていたそうで、魚は鯉だけではなく、鮭、鱒など地域によりけりだったそうです。チェコ・ドイツの一部とポーランドでは鯉が手頃で手に入れやすい魚だった為食べられるようになったそうです。しかしその頃のスロヴァキアでは鯉をクリスマスに食べることはありませんでした。第一次大戦後、チェコスロヴァキアの時代にチェコから伝わったそうです。

クリスマスに鯉を食べるという事がスロヴァキア国民の間に広まったのは、共産主義時代(1948-1989)に行われたコミュニストキャンペーンによります。これは過剰生産し過ぎた農産物などを消費する為のもので、例えば卵には「Jedno vajce denne(毎日卵一個)」というスローガンがつけられていました。「クリスマスイブに魚を肉の代わりに食べる」ことを魚→鯉にしてキャンペーンを進め、これが国民の間に広まったそうです。その為、国民の年間魚消費の九割がクリスマス期間に集中しました。

つまり、スロヴァキアでクリスマスに鯉を食べるというのは、政府によって広められた人工的な比較的新しい習慣なのです。


クリスマス前に大手スーパーに行くと、特設生け簀が駐車場など屋外に設けられており、そこで生きた鯉を買うことが出来ます。家に持って帰り、浴槽に鯉を放ち、食卓に上がるクリスマスイブまで生かしておき、その家の子供の一時的なペットになる…と言われていますが、これも段々昔の話にありつつあるそうです。

↑近所のテスコ駐車場に作られた鯉の生け簀


最近は鯉のフィレも売られていますし、鯉を丸ごと買う人も以前よりも減っているように感じます。特設生け簀で購入している客層も、私が見た限りでは年配の方の割合が高かったです。また、単純に鯉は美味しくないからと、鮭や鱒など違う魚を食べる人たちもいます。ミケさんの同僚たちに聞いてみても、鯉を食べる人はまずいないとか。

また、ミケさんの友人にはクリスマス休暇を利用して暖かい国へ海外旅行に出かける人、スキーに行く人、商業主義的なクリスマスのあり方に辟易としクリスマスらしくない過ごし方をする人など色々います。個人に目を移すとクリスマスの過ごし方は本当に人それぞれです。


そもそもキリストの誕生した日もいつなのかはっきり分かっていません。12月25日にしたのもキリスト教が広がる以前にあった冬至の祭りを取り込んだからとも言われています。こうして考えると、一体何が本当に伝統的で非伝統的なのか分からなくなってきます。


現代のスロヴァキアではキリスト教徒であってもなくても、ほとんどの人がクリスマスは近い家族と過ごす日と考えているそうで、私もそれでいいと思っています。私達も伝統的ではないクリスマス(netradičné Vianoce)を過ごした一組でありますが、幸せであることが一番大切だと思うのでそれぞれ望むよう、好きなように過ごせばいいと思います。



それでは皆様、良いお年をお迎えください。

来年もどうぞよろしくお願いいたします。



参照:http://www.sme.sk/c/3644242/vianocny-kapor-milovany-aj-nenavideny.html


青ねこ's Life in Slovakia

中欧の小国スロヴァキアについてのあれこれ。

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